加算の要件は?口腔機能向上の評価ポイントを紹介!
口腔機能向上加算のポイントについてご存知でしょうか?今回は口腔機能向上加算について以下を解説します。
- 口腔機能向上加算1の算定要件と取得のポイント
- 口腔機能向上加算2の算定要件と取得のポイント
- 算定要件における評価のポイント
加算のポイントを理解して業務にいかしましょう。
口腔機能向上加算1の算定要件と取得のポイント

口腔機能向上加算1を取得するには、適切な体制構築とサービス提供が必要です。これらの要件を満たすことで、口腔機能向上加算1の算定が可能になります。それぞれ解説します。
サービス提供体制
口腔機能向上加算1を算定するためには、適切なサービス提供体制を構築することが重要です。体制の要件として、事業所には言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員のいずれか1名以上を配置する必要があります。これらの専門職は、利用者の口腔機能の状態把握、計画作成、サービス提供、評価といった加算に関わる業務の中核を担います。これらの専門職は常勤、非常勤、兼務を問いません。他事業所との兼務も可能ですが、勤務時間や業務内容を明確にしておく必要があります。
小規模な事業所では、これらの専門職を複数配置することが難しい場合もあるでしょう。そのような場合には、外部の専門機関との連携も有効です。地域の歯科医院や訪問看護ステーションなどと連携し、専門職による指導や助言を受けることで、質の高い口腔機能向上サービスを提供できます。
例えば、言語聴覚士が週1回訪問し、摂食嚥下機能訓練を実施する。歯科衛生士が月2回訪問し、口腔衛生指導や口腔ケアを行う。看護職員が他事業所と兼務し、口腔ケアの補助や医学的管理を行う。といった体制構築も可能です。
対象者
口腔機能向上加算の対象となる利用者には、一定の基準が設けられています。すべての方が対象となるわけではないため、注意が必要です。具体的には、以下のいずれかの条件を満たし、かつ口腔機能向上サービスの提供が必要と認められた利用者が対象となります。
- 認定調査票の「嚥下」「食事摂取」「口腔清掃」の3項目のうち、いずれか一つでも「できる・介助されていない」以外に該当する。
- 基本チェックリストの口腔機能関連項目(固いものが食べにくくなったか、お茶や汁物でむせるか、口の渇きが気になるか)のうち、2項目以上で「はい」と回答している。
- 上記に当てはまらない場合でも、その他の状況から口腔機能の低下もしくはその恐れがあると判断された場合。(例:認定調査票の特記事項、主治医意見書、視診、関係者からの情報提供など)
これらの条件を満たしている場合でも、既に他の事業所で口腔機能向上加算を算定している場合や、利用者本人から同意を得られない場合は、対象外となります。
個別機能訓練計画書の作成
口腔機能向上加算を算定するためには、利用者ごとに個別機能訓練計画書を作成する必要があります。計画書には、利用者の現状の口腔機能や目標、訓練内容、評価方法などを具体的に記載します。
計画書に記載すべき必須項目は以下の通りです。
- 利用者の基本情報:氏名、生年月日、要介護度など
- 口腔機能の現状:咀嚼、嚥下、発音などの状態
- 目標:具体的な目標値を設定
- 訓練内容:口腔機能訓練、口腔ケア指導など
- 訓練頻度・時間:週何回、1回あたり何分行うか
- 評価方法:目標達成度をどのように評価するか
- 担当者:訓練担当者名
効果的な計画書作成のポイントは、利用者の状態に合わせた目標設定と、具体的な訓練内容を記載することです。目標は、利用者が達成可能な範囲で設定し、定期的に見直すことが大切です。訓練内容には、口腔体操や摂食訓練など、利用者の状態に合わせた適切な方法を選択します。
また、計画書作成には例文やテンプレートを活用すると、作成の手間を省き、質の高い計画書を作成できます。ケアマネジャーと連携し、利用者の状態や目標を共有しながら作成を進めましょう。
サービス提供内容
口腔機能向上サービスは、利用者一人ひとりの状態に合わせた個別的な内容である必要があります。その内容は、口腔機能改善管理指導計画に基づき提供され、定期的に記録される必要があります。サービス提供にあたっては、摂食嚥下機能に関する訓練指導もしくは実施が必須です。口腔機能向上加算1を算定するためには、摂食嚥下機能に関する訓練の指導もしくは実施を行っていることが必須となります。具体的には、以下のサービス内容が想定されます。
口腔体操
舌、唇、顎などの運動を通して、口腔周囲の筋力を強化し、咀嚼や嚥下機能の向上を図ります。
唾液腺マッサージ
唾液の分泌を促進することで、口腔乾燥の予防や改善、円滑な食塊形成を促します。
摂食嚥下訓練
食材の形態や食事姿勢、適切な介助方法など、安全な食事摂取を支援するための訓練を行います。
口腔衛生指導
正しい歯磨きの方法や口腔ケアの重要性について指導を行い、口腔内環境の改善を図ります。
これらのサービスは、利用者の状態に合わせて組み合わせ、提供時間を設定します。提供時間については明確な基準はありませんが、計画に沿って実施し記録を残すことが重要です。また、口腔機能向上サービスの内容、時間、頻度、実施方法は口腔機能改善管理指導計画に沿って実施する必要があります。利用者の状態によっては、医療機関との連携が必要になる場合もあります。その際は、ケアマネジャーを通して主治医や歯科医師への情報提供や受診勧奨など、適切な対応が必要です。
評価
口腔機能向上サービスの効果を正しく評価することは、利用者の状態を把握し、サービス内容を改善していくうえで非常に重要です。評価は、口腔機能改善管理指導計画に基づき、定期的に実施します。
評価方法は、客観的なデータ(食事摂取量、体重など)と、主観的なデータ(利用者や職員の観察記録)を組み合わせて行います。評価結果を記録し、ケアマネジャーやご家族と共有することで、今後のサービス提供に役立てましょう。また、計画の見直しや改善にもつなげ、より効果的な口腔機能向上サービスを提供できるよう努めます。
口腔機能向上加算2の算定要件と取得のポイント

口腔機能向上加算2は、加算1と同様に口腔機能の向上を目指すサービスですが、より高度な内容となっています。そのポイントはLIFE(科学的介護情報システム)への情報提供とフィードバックの活用です。
加算1との違い
加算2では、LIFEに利用者の口腔機能に関する情報を提供し、フィードバックを活用することで、より効果的なサービス提供を目指します。
摂食機能療法の実施
摂食機能療法は、加算2の必須要件です。言語聴覚士などの専門家が、個々の利用者の状態に合わせた訓練プログラムを作成し、実施します。安全な食事の摂取と口腔機能の維持・向上を目的とします。
栄養改善計画の作成
栄養状態も口腔機能に大きな影響を与えます。加算2では、管理栄養士などが栄養改善計画を作成し、利用者の栄養状態の改善を図ります。
その他
加算2の算定には、加算1と同様の体制整備が必要です。また、LIFEへの情報提供やフィードバックの活用に関する研修を受講しておくことが重要です。
算定要件における評価のポイント
口腔機能向上加算を適切に算定するためには、サービス提供開始時だけでなく、定期的な評価が必要です。評価ポイントは以下の通りです。
現状の口腔機能の状態把握
現状の口腔機能の状態を把握するため、以下の項目を評価します。
- 摂食機能:咀嚼、嚥下、食塊形成など
- 構音機能:構音機能
- 口腔衛生状態:歯垢、歯石の付着、歯肉の状態など
- 口腔周囲筋の機能:舌、口唇、頬の動きなど
これらの評価に基づき、個別機能訓練計画書を作成・修正します。
個別機能訓練計画書に基づいたサービス提供状況の確認
個別機能訓練計画書に基づき、適切なサービスが提供されているかを確認します。口腔機能訓練の実施内容、頻度、時間などを記録し、計画とのずれがないかを確認します。
口腔機能の変化の確認
定期的に口腔機能の変化を確認します。設定した目標に対する達成度を評価し、必要に応じて計画内容やサービス内容を修正します。
多職種連携
多職種間で情報共有を行い、利用者の状態に合わせたサービス提供を検討します。医師、歯科医師、看護師、言語聴覚士、介護支援専門員などが連携し、利用者にとって最適なケアを提供することが重要です。
これらの評価結果を基に、サービス内容を改善していくことで、口腔機能向上加算の適切な算定につながります。
口腔機能向上加算を正確に行いたいならリハクムにお任せください!
口腔機能向上加算は、利用者の状態把握、適切な計画作成、サービス提供、そして評価という流れを正しく行うことで算定できます。しかし、これらの業務を手作業で行うには負担が大きく、ミスも発生しやすいです。そこでリハクムを活用すれば、これらの業務を効率化し、正確な加算算定を実現できるでしょう。
リハクムは、利用者の基本情報やアセスメント結果を記録し、口腔機能向上加算に必要な個別機能訓練計画書の作成を支援します。計画書作成時には、定型文候補も表示されるため、作成時間を短縮できます。また、サービス提供記録や評価記録も簡単に入力でき、進捗状況を把握しやすいため、質の高いサービス提供につながるでしょう。これらの機能により、リハクムは口腔機能向上加算の算定業務を効率化し、ケアの質向上に貢献します。
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